執筆者
やすい山ノ内クリニック
院長 安威 俊秀
経歴
- 1999年 3月
近畿大学医学部卒業 - 1999年 4月
京都府立医科大学第二内科(現 循環器・腎臓内科学教室)入局 - 2000年 4月
済生会京都府病院 循環器科 - 2004年 4月
京都府立医科大学 循環器内科 - 2006年 4月
舞鶴赤十字病院 内科 - 2019年 5月
やすい山ノ内クリニック 開院
資格・所属学会
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本医師会認定産業医
心臓には、血液を一方向に流すための弁が4つあり、これらが開いたり閉じたりすることで血液の流れが保たれています。心臓弁膜症は、この弁がうまく開かなくなったり、きちんと閉じなくなったりすることで、心臓に負担がかかる病気です。初期にははっきりした症状が出ないこともありますが、進行すると息切れ、動悸、疲れやすさ、むくみなどにつながることがあります。
健診やほかの受診の際に「心雑音がある」と言われて見つかることもあれば、年齢とともに少しずつ進行して症状が目立ってくることもあります。すぐに強い症状が出るとは限らないため、気づかないまま過ごしてしまう方も少なくありません。だからこそ、息切れや動悸が続く時、心雑音を指摘された時には、早めに状態を確かめることが大切です。
心臓の弁には、血液を前へ送る時にしっかり開くこと、逆流を防ぐためにきちんと閉じることが求められます。ところが、弁が硬くなったり変形したりすると、開きが悪くなる狭窄症、閉じ方が不十分になる閉鎖不全症が起こります。こうした異常によって心臓は余分に力を使わなければならなくなり、徐々に負担が大きくなっていきます。
心臓弁膜症は、どの弁に異常があるかによって症状や経過が異なります。よく知られているものには、大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症などがあります。加齢に伴う変化でみられることもあれば、以前の病気や心臓の状態が関係することもあります。
大動脈弁が硬くなり、十分に開かなくなることで血液が流れにくくなる病気です。心臓から全身へ血液を送り出す際の負担が大きくなり、進行すると息切れ、胸の痛み、失神などの症状がみられることがあります。高齢の方でみられることが多い代表的な弁膜症です。
僧帽弁がきちんと閉じなくなることで、心臓の中で血液が逆流する病気です。初期には症状が目立たないこともありますが、進行すると動悸や息切れ、疲れやすさなどがあらわれることがあります。心臓にかかる負担が続くことで、心不全につながることもあります。
大動脈弁がしっかり閉じないために、送り出した血液の一部が心臓へ戻ってしまう状態です。心臓は必要な血液量を保つために余分に働くことになり、長い時間をかけて負担が積み重なっていきます。症状が出るまで時間がかかることもありますが、進行すると息切れや動悸などがみられることがあります。
僧帽弁の開きが悪くなり、血液の流れが妨げられる病気です。進行すると息切れや疲れやすさ、動悸などがあらわれることがあります。頻度は以前より少なくなっていますが、代表的な弁膜症の一つとして知られています。
心臓弁膜症の原因として多いのが、加齢に伴う弁の変化です。年齢を重ねるにつれて弁が厚くなったり硬くなったりし、開閉の動きが悪くなることがあります。特に大動脈弁狭窄症は高齢の方に多くみられます。
以前の感染症や心臓の病気、心筋の変化などが関わって弁の異常が起こることがあります。また、高血圧などで心臓に負担がかかり続けることで、弁のはたらきに影響が出る場合もあります。
弁の形に生まれつき特徴があり、その影響で将来的に弁膜症が起こりやすくなることもあります。若い頃には問題がなくても、年齢とともに変化が目立ってくる場合があります。
心臓弁膜症の治療は、弁の異常の程度や症状、心臓への負担の大きさによって決まります。軽い段階では、定期的に状態を確認しながら経過をみることがあります。息切れやむくみなどに対しては、症状を和らげるための薬物療法が行われることもあります。
一方で、弁の狭窄や逆流が強く、心臓への負担が大きい場合には、手術やカテーテルによる治療が検討されます。弁膜症では、症状だけでなく心機能や進行の程度を見ながら、治療の時期を考えることが大切です。
これらのような変化がある方はご相談ください。年齢のせいと思っていた息切れや疲れやすさの背景に、心臓弁膜症が隠れていることもあります。また、症状が目立たなくても、健診での指摘がきっかけになることも少なくありません。
やすい山ノ内クリニックでは、息切れ、動悸、むくみ、胸の違和感、健診での心雑音や心電図異常など、心臓の病気が気になる方のご相談をお受けしています。院内では心電図、24時間ホルター心電図、レントゲン検査、エコー検査、血液検査などを行っており、症状や経過に応じた確認につなげています。
弁の異常は、自覚症状だけでは判断しにくいこともあります。当院では、日常生活でどのような時に症状が出るのか、健診でどのような指摘があったのかも含めてうかがいながら、循環器内科の視点で状態をみていきます。京都市右京区・太秦天神川で心臓弁膜症が心配な方、息切れや心雑音について相談したい方は、当院へご相談ください。